2016年5月26日木曜日

10 その他の経 「華厳経」 1

2016/07/27(加筆)、07/18(調整) 2016/06/20 (加筆調整) 2016/06/02 (公開)



10 「華厳経」 引用に於ける大間違い 1


引用  1  華厳経に云く女人を見れば眼大地に堕落す何に況や犯すこと一度せば三悪道に堕つ文。 

引用  2  華厳経に云く女人は大魔王能く一切の人を食す現在には纒縛と作り後生は怨敵と為る文。 

引用  3  華厳経に云く女人は地獄の使なり能く仏の種子を断つ外面は菩薩に以て内心は夜叉の如しと文。 

書簡    一代五時継図  (上記 3例とも) 73,74,75


 女性を卑下する経文など釈迦の経には存在しない。

仏教を学ぶ者はそれを肝に銘ずるべし。 心から怒りを込めて書き置きます。

これを書いている今朝も、パキスタンでは結婚を断られた男が名誉を汚されたとして、女性に火をつけて殺したというニュースを読みました。

一部の印度周辺やアラブ世界では今でもそうですが、女性は男性に護られる代わりに子供を生み、身をつくして家庭をキープする存在とされていて、日本的な男女同権などは在りません。 


日蓮聖人は華厳経に云くと、禅宗のバイブル「禅戒抄」では寶積経に「女人は地獄の使いなり」と書いてます。 

ちなみに、禅戒抄 (2601) は、82.0650a21: ページ~
 
「 寶積經云女人地獄使 能斷佛種子 外面似菩薩 内心如夜叉 一見於女人能失眼」
  
女は地獄の使いだ。外面は菩薩のようでも内心は夜叉で、観るだけで目が潰れるゾって、 

これが嘘だと知った時には、ぶん殴ってやりたくなりました。 怒りを治めたわけではありませんが、今では笑えます。 

華厳経も、寶積経も大きな経ですが、華厳には宇宙物質の成りたちが説かれています。

賢愚経の一部に 王女牟尼が釈迦牟尼となる話が書かれていますし、
増一阿含經 (0125)には  「爾の時の王女牟尼は今の我、是也」と、女性が釈迦、仏になる話が説かれているのです。(T0125_.02.0758ページc04)

それでも「女性は地獄の使い」などと、經に書かれてもない事を書いてあると喧伝し、それが長い間まかり通っているとは、 呆れ果ててものも言えない業界です。 

経文にない事を、デマに換えて教える行為が、仏を尊敬する行為だと思う人、 またそのように言う教祖たちが書いた物から、仏教を理解しようと学んでいる人は、さっさと諦めるべきです。 

後五百歳を千年近く過ぎた今、私たちは現代の科学レベルでの宇宙の姿を常識として知る人間です。そう在るべきなのです。

それをわざわざ三千年前の経文から学ぼうとするなら、せめてその目的を明確に自認すべきです。

古い時代の経文を理解するにしても、現代の量子論、特にシュレディンガーをおぼろげにも理解出来る脳力が必要です。
その基礎が無ければ、特に般若部はチンプンカンプンのままで、理解出来たと思ったならそれは思考回路の誤作動です。

地球は太陽を回っているという自然科学を、想像だに出来なかった時代の、迷信に凝り固まった思考の人々を相手に、例えの限りを尽くして説かれた経文です。
宇宙の成り立ちを説明する言葉すら無かったし、若しくは不足していた時代の漢訳が経文です。

仕方なく比喩・方便を駆使して釈迦が説明された言葉でしたが、とにかく訳が解らないままに記録され、或いは語り継がれ、咀嚼された記憶の集大成を、漢字に訳された物が今の仏教経典なのです。

法華経の従地湧出品以降は、釈迦が「汝らは護持する必要はない」と言って説き置かれた教えでした。 それは、仏(宇宙)の法則を知るには、唯佛与佛レベルの科学的理解力、知識が必要で、当時の人間の科学レベルで理解するのは無理だったからです。

そこには 「神力を以てしても、嘱累しきれなかった」 と吐露されており、「今は此処に留め置く」 とした上で、「2千年過ぎたら弘めよ」 と言われた、そういう経です。
 

「女は地獄の使い」だのと言う捏造経文をさえ疑えなかった支那仏教の教祖達、その経疏を未だに信ずる程度の頭脳レベルでもって、釈迦の時代の、不充分な言葉に残され、意味が解らない処は陀羅尼として、擬音を頼りに漢訳された経文から、当時の比喩や方便で語られた宇宙自然の法則を読み解こうとするわけですから、 到底理解できるわけがありませんし、人生の貴重な時間を無駄に消費するだけです。

現代の科学を学び、量子論を知った頭で読んでこそ、ああこの事を言いたかったのかな、イヤアすごいなア! と経文を楽しむ事が出来て来るのです。(自分の体験ですが)。

仏道修行には女性の色気は確かに大いなる邪魔だったかも知れませんが、それは修行僧個々人のスケベ根性の程度問題であって、蓮如なんて、20人以上も子供をつくっています。

性欲問題解結の為に経文を捏造して迄、女性を卑下した事は誤りです。

自分のスケベ根性を抑えられない、自分の意志を制御出来ない奴なら、性犯罪を犯しこそすれ菩薩にはなれません。 如説修行なんぞ到底無理なので、どんどん脱落させれば良いのです。

真の経文には元々馬鹿な理屈は在りません。 
女体の産道の場所が不浄だとして、釈迦は横腹から生まれて直ぐに七歩あるいて、「唯我独尊」と言ったなどという経は明らかに捏造で、馬鹿な僧はそういう事をやりたがるのです。

修行の邪魔だからと言って、経文を捏造してまで女性を悪く言った、その事実が、お門違いどころか、釈迦の心を貶める中華魔道に汚れた支那仏教のしたたかさ、程度の低さ、愚かさが現われています。 

経文の中に真実を求めたいなら、その事に気付いて欲しいものです。 

当時の社会環境では、女性成仏を理解させるために、始めは仕方なく「変成男子」 として成仏を納得させるしかなかった程の、徹底した男尊女卑の社会でした。

3千年前の社会環境の中で、女性も含め、生命体は皆、自然の法則、つまり「仏」、の生成物である事を説くために、釈迦は自らも過去には女性であったと、銀色女経等、先に示した以外にも多くの経に説かれています。

釈迦牟尼の牟尼(ム-ニ-)はプリンセス・ムーニーの牟尼だったとの経は紹介しましたが、 月上女経では女性の姿のまま仏である事を右手の上に仏の姿を見せて、多くの菩薩たちの疑念に一問一答の形で答えています。 

結婚し、自分の子供、ラゴラ、を弟子として、命の大切さを教える釈迦が、一方で母性である女性を卑下する道理がない事くらい、経を読む人間がどうして気つけないのですかネ? 

法蔵菩薩は阿弥陀如来になるために、念仏をした者は、例え女性であってもそのままの姿で極楽世界へ拉致して?連れて行っちゃうのです。 

どんなに方便や比喩を用いても「嘱累する事は出来なかった」と、神力品に言って、直後に、「五五百歳」になったら弘めよと説いた「薬王品」では、女性がそのままの姿で極楽世界に生まれる事を説いて、阿弥陀経をフォロウしています。 


今回は華厳経に関する誤用、マチガイ、捏造経文の指摘でしたので、 話がくどくなりました。

これまでも女性の成仏に対する仏教界の大いなる誤解に就いては、ブログ平成談林に何度も書いて来ましたので、平成談林1を再度チェックしてみて下さい。


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