2016年5月26日木曜日

13 銀色女経 

2016/07/10 (加筆) 2016/06/04 (公開)

13  銀色女経・ 月蔵経

2016/06/04 (公開)

銀色女経 

引用   銀色女経に云く「三世の諸仏の眼は大地に堕落すとも法界の諸の女人は永く成仏の期無し」云云  

書簡   女人成仏抄 一代五時継図 薬王品得意抄  81,82,83

何度も 々 書いてきましたが、三世の諸仏の眼は大地に堕落すとも法界の諸の女人は永く成仏の期無し どころか、銀色女は釈迦自身だったという経ですから、銀色女経は女人成仏の経なのです。

一度でも経を読めば、すぐに解る事なのに、よくぞ千年もの間しらばっくれていられたものです

経を読めば一瞬でバレる嘘が、21世紀になって自分が指摘するまでまかり通っていたなんて、よくよく坊主どもは経を読ンでいないという証拠というか、「果報は寝て待て」という言葉はこの経の「銀色女」が王になる過程をオチョクッタ言葉ですから、実際には読んだ上で経を馬鹿にしていた証拠です。 

この例以外にも、仏教界には 女人成仏に対する多くのデマがまかり通っています。

それもこれも、分別経の 「仏教が支那で魔道に染まる」 と説かれていた現象なのです。 

明治時代に刊行された子供向けの仏教説話には、乳房を切って赤ん坊を救う銀色女の、経の一部の説話があります。 ですから、「女は地獄の使いだの、間違っても成仏しない」だのという云われが、間違いまたはデマだという事を、仏教者は知らなかった訳でもなさそうです。

このブログを読む人は、少しは仏教を学ぼうという人でしょうから、是非、本当の銀色女経に目を通してください。 

そうすれば、日蓮書簡が、度々引用する上記の文章が、いかにひどいデマだったか、直ぐに確認出来ます。

叡山を頂点とする平安・鎌倉仏教界は、そのような風土だったという事を知った上で、のめり込まずに仏教と接する事の必要性を自認できるでしょう。 

一代五時継図には 銀色女経以外に 下記の女性に関する仏教界のデマが羅列されています。

一、四十余年の諸の経論に女人を嫌う事
 華厳経に云く女人は地獄の使なり能く仏の種子を断つ外面は菩薩に以て内心は夜叉の如しと文。
 
又云く一び女人を見れば能く眼の功徳を失う縦い大蛇を見ると雖も女人を見る可からずと文。


華厳経に云く女人を見れば眼大地に堕落す何に況や犯すこと一度せば三悪道に堕つ文。

十二仏名経に云く仮使法界に遍する大悲の諸菩薩も彼の女人の極業の障を降伏すること能わず文。

大論に云く女人を見ること一度なるすら永く輪廻の業を結ぶ、何に況や犯すこと一度せば定んで無間獄に堕すと文。

往生礼讃に云く女人と及び根欠と二乗種とは生せず文。
 
大論に云く女人は悪の根本なり一たび犯せば五百生彼の所生の処六趣の中に輪廻すと文。

華厳経に云く女人は大魔王能く一切の人を食す現在には纒縛と作り後生は怨敵と為る文。

これらは 全部 嘘です。 呆れて物も言えません。

「云く女人と及び根欠と二乗種とは生せず」 の文は 往生禮讃偈 (No. 1980) の言葉でなく、
觀無量壽佛經疏、佛説阿彌陀經疏、他念仏系の疏に多く出て来ます。

もちろん釈迦の経文の言葉ではありません。


月蔵経
引用   安楽集に云く「大集月蔵経に云く 我が末法の時の 時の中の億億の衆生 行を起し行を修すとも 未だ一人も得る者有らず 

書簡   一代五時継図  一代五時図  84,85


月蔵経という名の経は特定できませんでしたが、 大方等大集經 (No. 0397) 月藏分という部が在りますので、その事かと思い 該当の文を探しました。 しかし見つかりませんでした。

月蔵経に云く我が末法の時の中の億億の衆生行を起し行を修すとも未だ一人も得る者有らず 

月蔵分のみならず、経には 「億億衆生起行修道 未有一人得者」の文字は無いのです。

「億億衆生起行修道未有一人得者 當今末法現是五濁惡世」 の文言は安樂集 (1958) 、
選擇本願念佛集 (2608) 、 徹選擇本願念佛集 (2609) 、:選擇傳弘決疑鈔 (2610) 、黒谷上人語燈録 (2611) に在り、「大集月藏經云」 としていますので、実際の経にはあたらずに、そのまま安楽集を写したのですが、

一代五時継図での引用は、「安楽集にいわく」を書かず、いきなり「月蔵経にいわく」 で始まっている事は、経に無い言葉を自らの引用した様に読めるので、少し問題です。



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