2016年5月25日水曜日

24 法鼓経 法滅尽経 摩耶経

2016/11/12(加筆) 2016/06/21(公開)

24  大法鼓経 法滅尽経 摩耶経  



大法鼓経


引用    法鼓経に云く黒衣の謗法なる必ず地獄に堕す文。

書簡    一代五時継図 114



正式には 大法鼓經 (0270) です。

大法鼓経は 「黒衣」 について全く語っていません。 

つまり、引用の文の出所は分かりませんが、 引用の文章は  です。




法滅尽経


引用    法滅尽経に「法滅尽の時は狗犬の僧尼恒河沙の如し」等云云[取意]


書簡    曾谷入道殿許御書 115


佛説法滅盡經 (0396) に「狗犬」「僧尼」という言葉は出て来ません。 

佛説法滅盡經は880文字程度の小さな経で、簡単に読めます。 
色着きの袈裟衣を着けている人にとっては、読む事は、堪えがたい恥でしょうが。

「狗犬」は多くの経に登場しますが、 は釈迦の経に「狗犬の様な僧尼」 という意味を導く使われ方は全くされてはいません。

いくら 「趣意」 とは言え、 間違いというか、捏造経文に基づく引用と言うべきでしょう。



摩耶経 


引用    摩耶経に云く「我が滅後六百年に竜樹菩薩という人南天竺にに出ずべし」

書簡    開目抄上 116


正確な経名は 「摩訶摩耶經 (0383)」  で、経には

「七百歳 已有一比丘名曰龍樹善説法要滅邪見幢然正」 とあります。 

摩耶経を引用したなら、「滅後600年」と書くことはあり得ません。


日本天台の、「溪嵐拾葉集 (No. 2410)」の説明では、

「𣵀槃疏云。六百年ニ馬鳴出。七百年ニ龍智等云云」 (76.0797b11ページ) と、

六百年代に馬鳴、七百年代は竜樹とはあリますが 経は 「摩耶経」ではなく「涅槃疏」だとしています。 

依って 天台も日蓮聖人も 経その物を読んでいないと断定する事が出来ますが、日蓮聖人の引用文は 天台教学を学んで、摩耶経とミックスして覚えているように思えます。

「六百年」説は 「定宗論 (2369)」に見られます。
 「 筆主以佛滅後六百年中龍樹爲華嚴宗」

只、支那では、竜樹の寿命は三百年とも云われていますので、700年代の前後100年説が出る事はあながち不正解とは言えないのかもしれません。

ですが、私の判定は、X です。  経文、摩耶経にこうあると書いた以上、それがなければ間違いなのです。  経を読んでいれば起こり得ない間違いなのです。







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